こんにちは、八楽の森谷です。 本ブログでも以前通知しましたが、八楽は今週末、ツーリズムEXPOジャパンに出展いたします。 会場は東京ビッグサイトです。 八楽ブースでお待ちしております! さて、本日は「ツーリズム」にも大きく絡む、顧客向け表記の誤訳のお話です。 こちらはWorldJumperというサービスのブログ記事の再掲載になります。以前読んだことがある方も、是非もう一度どうぞ!!
ユーザーが離脱する原因は翻訳にあり?
中国の翻訳に対する楽観的(?)なシーンを紹介したいと思います。 一級都市はだいぶ国際化が進み、街中の看板などでも英語表記が多く見られるようになりました。日本人を含め多くの外国人が旅行や出張などで訪れるため、上海では飲食店の看板やメニューにも英語、日本語、韓国語などの多言語が見られます。 実際私が見た日本語訳の中には、笑ってしまうもの、機械翻訳だとすぐわかるものなどありました。この母国語だからこそ感じる「変な訳」という感覚は、ユーザーの信頼度を失ってしまったり、誤解を生んでしまったりする原因にもなります。
高級飲食店のメニューに変な日本語?
上海は、2008年の万博と前後する形でインフラが整備され、飲食店などの衛生面でも規制が厳しくなりました。より多くの人を海外から招き消費をしてもらうため、飲食店ではこぞってメニューに外国語を併記するようになりました。 万博開催前のある日、私は上海の浦東国際空港内のカフェでオーダーしようとメニューを見ていると、「加州巻 California Rolls」という料理名の横になにやら不思議な日本語を目にしたのです。 「カリフォルニア州は巻きます」 「鰻魚黄瓜巻 Eel&Cucumber Rolls ウナギのキュウリは巻きます」もおかしいですね。 その他にも、上海有数の観光地「新天地」にある某高級中華料理店は日本人観光客や駐在員もよく利用するお店ですが、そのメニュー内にもおもしろい日本語を発見しました。 中国・四川の名物料理「口水鶏」。 これは中国語で「よだれが出るほど美味しい鶏」という意味合いがあるのですが、ここには日本語で 「よだれの鶏」 ……。 なんともオーダーしたくなくなる翻訳ですよね。 これらはすべてパソコンの翻訳機に適当にかけられ、ネイティブのチェックのないまま記載されていることが原因です。おそらく意味が通じるというより、何らかの日本語が載ってればいいや的な考えだと思います。 これらの事例はまだほんのごく一部です。 メニューのように簡単なものならば、なんとなく想像を膨らませて理解に至ることがあるかもしれません。しかし、初めて見るもの、例えば知識のない分野のウェブサイトなどで、このような機械的な翻訳が並べられていたらどう感じるでしょうか? ユーザーは理解するどころか、そのサイト、ひいてはそのサイトを運営している会社に対する信頼までなくしてしまう可能性が非常に高いです。
正確な翻訳が生む安心感
もちろん多言語の原文のままスムーズに読解や理解ができればそれに越したことはありませんが、そのような人は稀です。私たちが一番素早く、かつ、本当の意味を理解できるのはやはり母語だと言えます。 正確でわかりやすい母語による翻訳には、ユーザーに安心感を与えるだけでなく、その後のアクセス増加へとつながり、まさにコミュニケーションの促進を生みます。 言葉とはそれ自体の意味を越えて、信頼や安心感を与えるものなので、「適当に訳せばいいんだろ」という考えではなく、「翻訳はユーザーとしっかりとしたコミュニケーションをとるための重要な手段である」という認識が大事になってきます。
いかがでしたでしょうか。 「よだれの鶏」はだれも食べたくないですよね。 ネイティブチェックの一手間が、今後の海外展開やインバウンド戦略を左右します。