Homeニュース【やらく人】時差12時間!地球の反対側で働く「やらく人」〜日本企業に入社するまでの軌跡とは?~

2022/06/22

【やらく人】時差12時間!地球の反対側で働く「やらく人」〜日本企業に入社するまでの軌跡とは?~

八楽で働く仲間、ヤラクゼンを使っていただいているお客様、パートナー企業の方々、など八楽およびヤラクゼンをとりまく「人」にフォーカスを当てながら八楽を紐解くシリーズ『やらく人』。第5弾は八楽株式会社のNLP(自然言語処理)エンジニアチームに所属するジョバンニに話を聞きました。

 

 

 

Q:ご自身のことを教えてください

ジョバンニ・ガッティ・デ・ジャコモです。21年10月17日で23歳になりました。

生まれも育ちもブラジルのリオ・グランデ市です。リオ・デ・ジャネイロから1,791.7km離れたブラジル最南端に近いエリアで、古い街並みが残り、ポルトガルの雰囲気を感じられるところです。ブラジルは暑いというイメージがあるかもしれませんが、私の住んでいるブラジルの南部地方は日本と同じような気候で夏は30度、冬は零度と寒暖差があり、四季がはっきりしています。

父がコンピューター修理などを請け負う店を経営していたので、幼いうちからコンピューターに興味を持ち、6歳か7歳の頃には使いこなしていました。

 

17歳で入学した地元の大学では、コンピューター工学を専攻しました。私の大学はブラジルで最初にコンピューター工学のコースを導入した大学の一つで、有名な卒業生もたくさんいますし、ケンブリッジ大で教えた教授などもいます。工学系は5年のカリキュラムで、2016年に入学して2021年に卒業しました。

 

 

Q:海外との関係は?

今までで唯一の海外旅行は、大学1年のときに行ったアメリカへの研究旅行です。住んでいた街が大西洋とブラジル最大のラグーン、そして湖にそれぞれ東西南北を囲まれた環境だったこともあり、海洋や水中・水に関する研究が盛んでした。船などを探査する水中ロボットを使った研究など、そこでは面白い研究をたくさんしましたね。特にコンピューター・ヴィジョンの研究に力を入れていました。

研究では、博士課程にいた同僚とペアを組んでいました。彼は主にロボット担当で、私はディープ・ラーニングを担当していました。

 

 

Q:アメリカに移住したりアメリカで職を見つけようとは思わなかったのですか?

現在テキサス大学オースティン校で修士課程を履修しているのですが、完全にリモートなので、キャンパスの近くに住む必要がなく、これから日本に移住する予定です。

以前から私の興味の対象は日本でした。コンピューター工学の分野では多くの人がアメリカを目指しているのですが、私はアメリカより日本に興味がありました。実際就職活動をする前から日本で仕事をすることを視野に入れ、日本語を習っていました。

英語が流暢に話せますし、文化もよく似ているので、日本よりもアメリカに住む方がずっと楽だと思いますが、私が魅力を感じるのは日本です。日本の文化に興味があるし、日本語の響きがとても好きなのです。大学在学中から日本語の勉強を始めていました。

 

 

Q:日本語とはどうやって出会ったのですか?

子どもの頃、ブラジルでも日本のアニメをテレビで放映しており、ドラゴン・ボールやナルトを見ていました。高校生になってからは、NetflixやCrunchyroll(アニメのストリーミングサービス)でさらに多くの日本アニメを楽しむようになりました。今でも「無職転生 - 異世界行ったら本気だす -」などを見ています。私の趣味は読書とアニメ、ゲームです。

 

 

小さい頃の夏休みは家族と海辺で過ごしました。夏の間滞在していた祖母の家にはコンピュータ―やインターネットがありませんでした。2~3か月間コンピューターのない状況で、ビーチでしか遊べないのは耐え難かったです。今でも海にあまりいい思い出はありません。

 

 

Q:現在の業務への道筋は? 

小さい頃からゲームが好きだった一方で、そのゲームがどのように作られているのかという裏側にも興味があり、プログラミングを独学で学んでいました。私が最初に学んだプログラミング言語は、日本のエンターブレイン社がRPGツクール(同社が提供するソフトウェア)用に開発したRGSS(Rubyの拡張版)でした。つまりゲームで遊んだりゲームを作るためにプログラミングを勉強していたのです(笑)。フォーラムに参加したりオンラインで勉強したりしながら知識を深めていき、大学に入る頃にはPythonとC(いずれもプログラミング言語)を学習済でした。

 

 

Q:八楽入社の経緯は?

2020年1月に大学を卒業し、3月から就職活動を始めました。大学での研究職やゲーム会社を含め3社からオファーがありましたが、大学で研究していたディープ・ラーニングの業務ができるということで、八楽への入社を決めました。

八楽では、NLP(自然言語処理)エンジニアリングを担当しています。私の大学での専門はコンピューター・ビジョンでしたが、NLPのノウハウも入社して習得しました。主に、翻訳の品質やサービスの質を向上させるための新しい機能を導入する仕事をしています。

チームのメンバーは4人。NLP責任者のコーハンはインド在住、私はブラジル在住、ビーパルはネパール出身で日本在住、そしてもう一人のマユミはドイツ在住のインターン。まさにグローバルなチームです。

 

 

Q:日本から見ると地球の反対側で、しかも世界中の同僚と仕事をしているわけですが、タイムマネジメントや仕事の進め方で苦労はありませんか?

勤務時間は20時から翌朝5時(ブラジル現地時間)です。その後13時まで寝て、それからしっかり朝食をとり、勤務時間までは修士課程の勉強や趣味に充てています。睡眠時間は十分に取れていますし、問題はありません。

NLPチームと開発チームという2つのチームにはいろいろな国のメンバーがいますが、全員英語を話すので言葉の壁もありません。チームメンバーの経歴はそれぞれですが、コンピュータ・サイエンスという分野でつながっているので、コミュニケーションもスムーズです。

 

 

Q:逆に、多様なメンバーと働くことの良さは何ですか?

ありきたりかもしれませんが、いろいろな視点があるのが面白いです。文化や物事へのアプローチが違うので、議論のネタも尽きませんし、違う国の人たちと一緒に仕事ができるのは本当に楽しいですね。

実用的なことでいえば、我々が仕事で扱っているのが言語だということ。チームには日本語がわかる人、ポルトガル語がわかる人、英語がわかる人(おそらくヒンディー語がわかる人も)…と多彩な言語を操る人間がいるので、仕事で助け合うことができる。八楽が言語翻訳サービスを提供しているからこその利点です。

 

 

Q:今後の目標はありますか?

直近の目標は、まず日本に行くこと。そして現在取り組んでいるシステム開発を完了させて新しいテーマ、できるだけ画期的なテーマに着手すべく議論を始めることですかね。

長期的な目標は今は決めていません。今いる修士課程を修了するのか、博士号を取るのか…決めるのはこれからですね。

 

 

Q:来日にそなえ、お勧めのお店を調べておくためにも、ブラジルでの食生活について教えてください

日本にもシュラスコのお店があるかと思うのですが、シュラスコは私の住む州で発明された料理なのですよ。この辺りでは畜産が盛んなので、飽きるほど牛肉を食べてきました。

「バウル」というブラジルのサンドイッチは美味しいですよ。ハンバーガーと似たような食べ物ですが、バウルに使われている肉や野菜はとても新鮮でナチュラルです。アメリカのチェーン店で食べられるようなハンバーガーとは少し違いますね。

魚介や果物も豊富なので、オレンジジュースひとつとっても、とてもフレッシュで安いですよ。

健康維持と規則正しい生活を心がけているので、食事や運動にも気をつけています。

 

 

ありがとうございました。日本にいらっしゃるのを心待ちにしています!