今回は世界一番難しい言語というテーマについて書きたいと思います。
世の中で一体どの言語が一番難しいのでしょうか? 答えは様々あるでしょう。もちろん、何を基準にして難しいか簡単かということを考えるのが大事です。例えば、学習者の母語と他にどんな言語が堪能かによって、難しさは大きく変わります。私は中国に留学に行き、漢字が分かるようになったおかげで、日本語の勉強は結構簡単になりました。
しかも、学習者個人の性格、環境、勉強方法などによっても、言語習得のペースと習得出来るスキルが変わります。ラップを聞いて勉強する人もいれば、科学的なドキュメンタリーを見て勉強する人もいます。
とは言うものの、ある珍しい特徴があるために、他の言語より一般的に勉強しづらい言語があります。そのなかからいくつかを挙げたいと思います。
欧米において難しいといわれる言語
欧米において難しいといわれる言語は、特に文法が難しくて有名です。その中で、ポーランド語、ハンガリー語とフィンランド語が一番難しいとよく言われています。私は若干フィンランド語のことも知っていますのでちょっと詳しく説明したいと思います。
北欧では、以下の表が流行っています:
ご覧の通り、表にある言語は難易度により比喩的に表現されています。スウェーデンは文法が一番簡単=子猫で、フィンランド語は文法が一番難しい=ゴジラです。フィンランド語の文法は、世界中で難しいとよく言われています。
特に難しい点として知られているのは、格の多さです。格とは、簡単に言えば、文の中の関係で決まる名詞の変化です。例えば、格を使う言語で、「テーブル」という言葉を、「テーブルの下」、「テーブルの上」、「テーブルまで」、「テーブルで」などのように使うと、語尾が文脈によって変わります。
普通、格がある言語はあっても5個くらいですが、フィンランド語は、14個あります。
例えば、「誰」(kuka)という簡単な言葉を使いたい時でも、「誰から」や「誰と」など、どんな風に言いたいかによって、kenen、kenet、ketä、kenellä、keneltä、kenelle、kenessä、kenestä、keneen/kehen、 kenenä、keneksiと使い分けなければいけません。さらに、もし一人以上の「誰」を指すと、複数の人だったら、また全然違うような複数形になります。具体的には、ketkä、keiden/keitten、keitä、keillä、keiltä、keille、keissä、keistä、keihin、keinä、keiksiです。数えたところ、使い方によって「誰」と言う方法が27あります。
様々な非常に難しい言語
ちなみに、私の母語のエストニア語は、フィンランド語と同じ語派に入っています。そしてエストニア語も、14個の格があります。しかし、フィンランド語は他にも難しい点があります。例えば、外来語が極めて少ないです。次の表に表れているように、映画館と言う言葉は、殆どの欧米の言語では似てますが、フィンランド語では、elokuvateatteriと言います:
(エストニア語はロシア語と同じく、kinoです(表ではオランダ語は「kino」ですが、国旗が間違っていて、実際にロシア語が「kino」で、オランダ語が英語と同じく「cinema」です。))
同じ表が他にも色々あります。システム、ホッケー、ボリュームなどなど、外国人にとって難しい言語が色々あります。
さらに、フィンランド語は、同じ文字を数回連続使うのが、びっくりするほど多いです。例えば、「首領」と言う言葉は、エストニア語でpealikと言いますが、フィンランド語で、同じ語源の言葉が、päällikköと言います。どうやら、ä、l、とkは全部二回書かなければいけないらしいです。
しかしながら、世界には、文法がもっと難しい言語もあるそうです。インディアンのナバホ族が話すナバホ語は、特徴の一つとして、動詞は変わり方が900以上あります。難しいからこそ、第二次世界大戦の時、米国によって暗号化のために使用されました。
それに、北コーカサスで使われているツェズ語が64の格があります。エストニア人でさえ想像がつかないほど複雑です。
他にも、日本人と欧米人の両方にとって非常に難しい言語が様々あります。例えば、発音が難しいかしゃかしゃしてコミュニケーションするアフリカ族のクン語。声調が9ある中国語の方言。ピーピー鳴ってコミュニケーションするアマゾナス州で話されているピダハン語。
非常に難しい言語は様々ありますが、世界主要言語の中で、日本語が一番かもしれません。アメリカの外務職員局(FSI)は英語母語話者にとって、どんな世界の主要な言語が一番難しいかについて、調査を行いました。言語を難しさにより、四つのカテゴリーに分け、一番難しい四番目のカテゴリーに、アラビア語、広東語、北京語、韓国語と日本語が入りました。そのなかで、さらに一番難しいと評判だったのは日本語なのです。(英語が堪能な方には、こちらのグラフがおすすめです。)
私の経験でも、日本語が少なくとも北京語より断然難しいです。