初対面で“Where are you from? (どこ出身ですか)”と聞かれたらどう答えますか?
あなたが日本人なら、“I’m from Japan! (日本出身です)”と答える場合が多いのではないでしょうか。
なぜそう答える人が多いのか?それは教科書などで定型フレーズ(パターン)として学習することが多いからです。
本日は、そのようにパターンとして学んだ英会話を実際に「使う」にはどうすればいいのか、考えてみようと思います。
”英会話パターン”を実際に使うには?
私は小さい頃英会話を習っていました。このように教室や塾などに通わずとも、小学校で少しずつ英語を勉強するようになっているようです。この時必ず決まり文句のようなものを学習するのではないでしょうか?例えば…
Aさん:Hello, how are you?
Bさん:I’m fine, thank you. And you?
とか、
Aさん:Hello, my name is Anny. Nice to meet you!
Bさん:Hi, my name is Ken. Nice to meet you too!
とかのことです。
つまり、「こう言われたら、こう返事をすればいいよ」というパターンのようなものを教わることが多いと思うのです。これは、かなり使える考え方だと思います。英語を学習し始める最初のステップ・とっかかりとしてもわかりやすいと思います。
ただ、これだけをやっていても、実際の英会話は成立しにくいです。なぜならここには、私が気づくだけでも、2つの視点が欠けているからです。これらの視点を意識して、会話パターンを学習していくことができればいいのかなと思っています。
1つ目は、「自分から話しかけた時」の視点です。上に“「こう言われたら、こう返事をすればいいよ」というパターンのようなもの”と書きましたが、これはつまり、「話しかけられた時の対応ハウツー」みたいになっているように見える、ということです。相手の発言がまずあって、それに対して返事をする状況なら、比較的誰でもできると思います。しかし例えば、自分からパターン通りのセリフで話しかけて、相手が「定型パターン」と違う反応を返してきたときはどうすればいいんでしょうか?これはやりとりをいくら増やしていっても同じです。相手の発言をコントロールすることはできません。
2つ目は、「会話の広がり」という視点です。教科書のページには限りがあるため、会話がどこかで「終了」した時点で学習が終わることが多いです。上に挙げた2パターンも、「この会話のあとを続けて作って下さい」みたいな授業はあまりないのかなと思います。Nice to meet you too、と言ったらそこでぷっつり途切れてしまうのです。また、返答の方法そのものにも「会話の続くもの」「そうでもないもの」があると思います。冒頭で話した”Where are you from?”にも、素直に答えれば、とりあえずそこで一旦会話が区切れます (そのあと出身国の話題が出るにせよ、それは新しい話題ですよね)。が、しかし、ここで ”Can you guess?” (どこ出身かあてられる?)と返したらどうなるでしょうか。勿論場面にもよるのですが、また違った形のコミュニケーションが生まれそうですよね。私はまだ、”Where are you from?”という質問に”Can you guess?”で返すパターンを紹介している教科書に出会ったことはありませんが、実際にはこちらで発言することもよくあります。
ではこの2つの視点を補うにはどうすればいいのかというと、それは量なのだと思います。慣れ、と言い換えてもいいかもしれません。沢山会話をすることで、学習したパターンを使ったり、パターンに裏切られたりを繰り返すことで、少しずつ英会話が成立するようになっていくのだと思います。だから、パターンから英会話を「学ぶ」ことはできますが、それはあくまで下準備のようなもので、実際に使いながら話せるようになるというのが本当のところなのだと思います。だから習熟するのに時間がかかります。これはとても自然なことだと思います。特に目新しい方法でもないと思うのですが、これを見落として、下準備のステップで満足してしまう人が多い気がします。
個人的に「効率の良い」英語勉強法が好きじゃないのはこの辺りに理由があります。効率がいいということは、基本的には、英語に触れている時間を短くしているということではないでしょうか。ある程度の結果を期待するのであれば、それに見合った時間の投資が必要なのではないかなと思います。