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2015/04/03

【コラム】結局「社内 英語公用語化」ってどうなったの?

こんにちは。八楽の森谷です。

今日のテーマは「英語公用語」です。
2010年ごろでしょうか?一時期非常に話題になったのですが、最近の動向はどうなのでしょう、というお話です。


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「英語公用語」のいま

 

現在の日本で「社内の公用語を英語にしている」と大々的に発表している企業はまだまだ多いとは言えませんが、楽天やファーストリテイリングの公用語英語化の取り組みは知られているところかと思います。
この他にも、ソフトバンクではTOEICで高得点を取った社員に報奨金を支給しており、シャープも将来的には公用語を英語にするという目標を掲げています。三井不動産では総合職の社員全員に対してTOEIC730点以上、三井住友銀行はTOEIC800点以上の取得を目指すよう促しています。武田薬品工業は新卒採用の選考基準にTOEICを入れ、日立製作所では2012年4月以降に採用した事務系職種の社員全員、技術系職種の社員の半数に海外赴任を経験させることに決定しています。
公用語を完全に英語化するまでには至らずとも、これだけの企業が何らかのアクションを起こしています。英語力を磨くことは、今後ビジネスマンとして活躍する上で必須となると言っても過言ではないでしょう。

社内の公用語を英語にするメリットの一つに、海外の優秀な人材を確保できるという点が挙げられます。例えばIT分野などは海外の方が進んでいると言われており、アメリカや中国、インドなどには大学院でプログラミングを学んだ学生が日本の数十倍もいるのです。その中の優秀な人材を獲得しようとすると、公用語が英語であることはとても大きな強みになります。

また、海外展開をしようとする時には、さまざまな国や地域に支店を置くこととなります。テレビ会議や書面でのやり取りを行う際、使用する言語が英語に統一され、しかもそれを全員が確実に理解できていれば、スピードや効率は格段にアップすると言えるでしょう。
さらに、社員一人ひとりが英語を使いこなせれば、外国の企業と交渉などを行う場面で同等に渡り合っていけるようになります。自分の意見を自分の言葉で話すことができるというのは、やはり伝わり方が変わってくるものです。手間を省くことや、信頼を勝ち取ることにもつながります。
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公用語が英語になることのデメリットとしては、長期的に見ると日本語が衰退していく可能性があることが挙げられます。社会が英語を求めるようになれば、当然教育の場においても英語に力を入れることになるでしょう。すでに現在でもその傾向がありますが、幼児期から英語を学ぶようになるのです。すると、正しい日本語を身につけるよりも先に英語を話し始めるということもあり得ます。これによって、日本語の母国語としての機能に支障が出てくると指摘する研究者も少なくありません。
ちなみに、タイの一部ではこの問題が顕在化しているという話もあります。幼い頃から英語を中心に教育を受けてきた若者の中には母国語であるタイ語に関し、「会話は問題ないが、読み書きが苦手」という人も出てきているそうです。まるで母国語というよりも外国語に対する感想のようですよね。

また、中途半端に英語が話せることで、ネイティブスピーカーと渡り合わなければならないシーンも出てきます。もちろんネイティブと同じレベルの英語力が求められます。ネイティブが使うスラングや慣用句、専門用語などの難解な英語を理解することができず、会議に口出しできないということも起こり得るでしょう。
ノンネイティブゆえに、ネイティブスピーカーに「気を使ってもらえる」ということは、ある種のアドバンテージでもあるのです。
今後、英語を使えることが当たり前になった世界では、ネイティブスピーカーの一人勝ちという事態も起こりかねないのです。

公用語を英語にすることでコミュニケーションが円滑に進むようになることは確かですが、その反面、日本企業にとって不利益なことも出てくることを想定しておく必要がありそうです。


いかがでしたでしょうか。
一時期盛り上がったわりに全体でも見たらあまり進んでいない、というのが実態みたいですね。

ちなみに八楽では、日本人以外の社員も多いため英語は使いますが、公用語化、というほどではなく、いろいろな言語が混ざり合って使われています。
スピーキングよりリスニングの方が得意な人同士が話すと、片方が日本語で話し続け、それを受けた側は英語で返し続ける、そしてその結果ちゃんと意思疎通が出来ている、みたいな面白い光景が見られます。
個人的には、みんながみんな英語を喋っているよりも「グローバル来てるな」という感じがします。