観光案内向け「OneGATE AI」にヤラクゼンのハイブリッド翻訳機能を最大限に活用
ピーディーシー株式会社
デジタル・サイネージの翻訳にヤラクゼンを活用
店頭や商業施設、公共スペース等、普段あらゆる場所で目にするデジタル・サイネージ。従来の屋外広告的な利用に加えて、モバイルやタブレットと組み合わせた双方向的な情報発信、あるいはAI等の音声認識を組み込んだ無人案内等、今後さらに多角的な応用が検討されている技術です。
このデジタル・サイネージ最大手であるピーディーシー株式会社/システムエンジニアリング部プロデューサーの村杉一裕様、プロモーション&サービス部の松尾将太様にお話を伺いました。
―貴社ビジネスについてご紹介いただけますか?―
弊社の主なビジネスは、デジタル・サイネージを販売することです。商業施設内に設置されている55インチほどの大きなタッチパネル・ディスプレイで目的の場所を探した経験をお持ちの方は多いと思います。一般的に「タッチパネル式フロア案内」と呼んでいますが、それ以外にもLEDディスプレイなどを使ってさまざまな案内表示を提供しています。
2年ほど前から、これらの商業施設で「もっと簡単に使える新しい形の案内方法はないか?」との要望が増えてきたことから、「普通の言葉で話しかけると素早く案内をする」ことができるサービスを、現在注目されているAI技術を組み合わせて実現しました。
それが弊社の「OneGATEAI」です。
現在は商業施設だけでなく、観光案内所での観光案内でも導入が加速しています。例えば、2018年8月には、福井県・永平寺町にて「観光案内OneGATEAI」を導入いただきました。
英語,中国語,韓国語など多言語対応が課題
―翻訳ニーズについてはいかがでしょうか?―
現在までに「OneGATEAI」を導入したお客様、あるいは導入を検討されているお客様に共通している点として、訪日外国人への対応が挙げられます。人材配置の最適化を推進するためのツールとしてのニーズもありますが、最も高いニーズは訪日外国人への多言語対応です。日本人であれば日本語は誰でも話せますが、英語,中国語,韓国語などの様々な言語を話せる人、さらに一人で何ヵ国語も話せる日本人はごく少数でしょう。
「OneGATEAI」は、日・英・中(簡体/繁体)・韓の4ヵ国5言語に対応していますが、そのためには外国語への翻訳業務が必須となります。
精度の高い回答は必須だが、コストが見合わず。
―業務上の課題と、ヤラクゼン導入の経緯は?―
お客様が求めていることに日本語で対応することは当然のことですが、訪日外国人にいかに精度の高い回答をするかが同時に求められます。しかし、精度の高い回答を実現するためには、利用者が自然言語で発する質問の意図を的確に補足することが必須であり、したがって質問文が肝になるのですが、多数の言い回し(フレーズ)を質問文として記述する必要があります。
例えば、“トイレは何処?”,“化粧室の場所は?”,“おしっこがしたい”等々はいずれもトイレの場所を尋ねていますが、これは翻訳以前の問題なので、日本語の質問文を記述するにも一定の経験とスキルが必要です。また、どれだけ日本語で質問文を整備したとしても、翻訳してしまうと“whereisthetoilet?”と集約されてしまう可能性が高いと言えます。
そのように考えていくと、翻訳作業はすべて人力翻訳でこなすことになってしまいますが、それではコスト面でお客様の要求と見合いません。そこで、質問文は人力翻訳で行い、回答文は機械翻訳で行うという、正に「ハイブリッド翻訳」を実現しているヤラクゼンを導入、活用することで、品質とコストのバランスが取れるようになりました。
フレーズ集と用語集を社内共有して解決。
―ヤラクゼン導入後の効果と、今後の可能性は?―
ヤラクゼンの導入に際しては、フレーズ集と用語集を多数登録することでチーム内での共有化を推進し、翻訳品質と生産性の向上を実現することに目標を置いて進めてきました。
さらに、人力翻訳のコストについては、ヤラクゼンの画面上でリアルタイムで見積りを取得できることも魅力です。従来は外注業者との見積り作業だけで時間がとられていましたから。
とはいえ、目下のところ個人レベルでの利用が主となっているのが実情ですから、今後さらにチーム全体での共有化を進め、作業効率を上げていきたいですね。
~2020年の東京オリンピックに向けて、「OneGATEAI」のさらなる活躍に期待しています!