こんにちは。八楽の森谷です。 本日のテーマは「Webサイト他言語化で気をつけるべきこと」です。 単なる翻訳=他言語化ではないというお話しです。 一体何に気をつければよいのか、見ていきましょう。
多言語Webサイト作成で見逃しがちな3つのポイント
海外向けのウェブサイトや多言語Webサイトの運営は、トラフィック・コンバージョンレートの上昇や売上の拡大などを見込むことができます。 ところが闇雲に自社サイトを翻訳しても上記のような恩恵を効果的に引き出すことはできません。 ついつい自国の文化に合わせてサイトを作成してしまうのが大きな原因なのですが、今回はその中でも特に気づきにくい3つのポイントを見ていきましょう。
1.文字や画像の配置がコンバージョンを左右する
言葉や文化が異なると、文字の読み方や画像に対する認識方法も変わってくるので、文字や画像の配置はユーザーエクスペリエンスに大きく影響を与えます。 例えばアラビア語のように右から言葉を読む文化圏では、画像などの配置も右側が好まれる傾向があります。日本や中国のような縦書文化のある国では縦書のものに違和感を感じることは少ないので、デザインにも幅が出ます。一方縦書は横書き文化の欧米ではあまり受け入れられません。 したがって同じサービスや商品を扱うWebサイトでも、文字や画像の配置を変更するだけでユーザーの反応が大きく変わることも十分あり得ます。あるサイトで製品のイメージ画像を左側に置くように変更したところ、フランスでは16%、イギリスでは9%コンバージョンレートが上がったにも関わらず、スペインでは一切変化がありませんでした。
2.文化によって色の「意味」は変わる
同様に、色も国によって認識に大きな差がでるので、色に対する先入観を取り除きましょう。例えば赤に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか?赤はアメリカでは愛の象徴でもありますが、南アフリカでは哀悼を表現する色でもあります。 この色の違いはコンバージョンレートにも影響を与えることが確認されています。ロシアで行われた実験では、赤と黒の組み合わせの効果が最も高かったのに対して、同じサイトでもイタリアではオレンジと黒の組み合わせが1番良い結果を出しました。
3.「不自然な」翻訳は機会損失を招く
翻訳の正確さは非常に重要です。製品やサービスの成功を左右するのはもちろん、正しい言葉を使うことはSEOにも好影響を与えます。 文法・語法的に正しい言葉で構成されたWebサイトが成功の大きな要因であることを認めている国もあります。例えばフランスでは、「外国語のみのサイトやひどい翻訳のサイトが成功することは難しいだろう」という見解をFevad(仏通信販売事業者協会)が表明しています。 参考: Europeans offer U.S. e-retailers tips for selling across borders 次に直訳がSEOにとってマイナスの影響を与える例をご紹介しましょう。英語圏で格安航空券などを探す際には “cheap flights” という単語がよく使用されます。 ところがイタリア語でこの “cheap flights”を直訳して ”voli economic” という単語を検索しても、わずかに33,000件しかヒットしません。実際にイタリアで格安航空券を探す際によく使われるのは “voli low cost” という言葉で、こちらは246,000件以上がヒットします。 国や文化に合わせて、ユーザーが使う「正しい」言葉による翻訳を疎かにしてはいけません。
いかがでしたでしょうか。 言葉の正確な翻訳はもちろん、色使いや画像の配置などもWebサイトの成功を構成する大事な要素です。 多言語化サイト作成には、自らの文化を疑い、相手の文化を理解しようとする姿勢が何よりも求められることをしっかりと認識しましょう。