こんにちは、八楽株式会社の佐藤です。
日本語の英訳に関して機械翻訳のメリットを活かすには、機械翻訳と相性の良い日本語を原文として使用する必要があります。
【コラム】機械翻訳と相性の良い日本語を書くコツ・入門編では、機械翻訳と相性の良い日本語を書くコツの中でも特に簡単に実践できるものをご紹介しました。
本稿では上級編として、さらに流ちょうな機械翻訳を得るために留意すべき点を6つご紹介します。自然な英訳を低コストで実現したい方、ぜひご一読ください。また、ヤラクゼンで原文を修正する方法については【使い方のヒント】4. 原文を修正するをご覧ください。
上級編
1.主語に無生物を使う
人を主語とする日本語を、無生物を主語にする文章に書き換えると、機械翻訳の結果が英語らしくなることがあります。たとえば「彼はそのニュースを聞いて幸せに感じた」よりも「そのニュースは彼を幸せにした」の方がより自然な英訳が期待できます。
この例では、後者の日本語を使用することで「make A B (AをBにする)」という英語らしい表現を得ることができました。
2.名詞中心の表現にする
日本語の文は英語の文よりも動詞を多く含みがちです。使わなくても意味が通じる動詞は使用を避けましょう。たとえば「使うことを避ける」は「使う」「避ける」という二つの動詞を含んでいますが、「使用を避ける」「使わない」であれば動詞は一つに収まります。動詞の数を減らすことで、名詞中心の言語である英語への翻訳が行いやすくなります。
3.時制を明確にする
過去・現在・未来のうち「いつ」のことを書いた文なのか明確にしましょう。特に未来形は忘れがちですので注意が必要です。たとえば「私は来年の夏休み、海へ行く」よりも、「私は来年の夏休み、海へ行くだろう」の方が流ちょうな英訳を期待できます。
この例では、原文中に「だろう」という未来の表現を使うことによって「will」という未来の助動詞を得ることができました。
4.敬語は使わない
尊敬語・謙譲語・丁寧語といった日本語の敬語表現は避けるようにしましょう。また、「平素よりお世話になっております」などビジネスメールでよく使用される丁寧な冒頭文も使用しない方がよいでしょう。英文ビジネスメールでは単刀直入に用件を切り出す方が好まれます。何か簡単な一文を置く場合や用件の切り出し方については【Tips】すぐに使える!英語ビジネスメールの書き出しをご覧ください。
5.固有名詞はアルファベットで書く
日本語の人名や地名、社名などを漢字で入力すると、その読み方を機械が認識できない場合があります。たとえば社名「八楽」であれば、漢字のままではなく「Yaraku」に直してから原文として使用すれば「Hachiraku」などといった機械による読み間違いを防ぐことができます。ついでにヤラクゼンで単語登録をしていけば、次回以降の手間も省くことができます。
6.オノマトペは避ける
「どしどし歩く」「きらきら光る」など日本語にはオノマトペが豊富です。機械翻訳との相性はあまり良くありませんのでできるだけ避けるようにしましょう。
以上の点に留意することで、機械が英訳しやすい日本語を書くことができます。機械翻訳だけで自然な英訳が出てくれば、人手による翻訳チェックの時間や費用を節約することが可能です。
参考文献
平田周 (2015)「英文”秒速”ライティング」, 日本実業出版社
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