HomeニュースPowerPointをまるごと翻訳する方法と手順を徹底解説

公開日: 2025/03/07

PowerPointをまるごと翻訳する方法と手順を徹底解説

PowerPointをまるごと翻訳する方法とその手順を徹底解説

プレゼンテーション資料を多言語対応させたいとき、PowerPointなどのスライドを翻訳する必要が出てくる場合があります。

特に海外向けのプレゼン資料や多国籍チームとのプロジェクトでは、スライドを英語やその他の言語に翻訳する場面が増えるでしょう。しかし、

  • 翻訳に時間をかけたくない
  • 翻訳したらレイアウトが崩れてしまう
  • 自動翻訳の精度が気になる

といった不安や疑問を抱えている方も少なくありません。

本記事では、PowerPointの標準機能や自動翻訳ツールを使った翻訳の方法、それぞれの特徴やメリット・デメリット、さらに翻訳後のレイアウト崩れの対策など解説していきます。

PowerPointの翻訳が必要なシーンとは?

プレゼンや上司への報告の資料を日本語から英語、その他の外国語に対応させる機会はたくさんあります。

新製品やサービスの海外向けプロモーション、国際会議での発表、社内マニュアルの共有など、あらゆる場面で外国語の資料が求められます。

【例】

  • 上司が海外スタッフの場合
  • 海外企業との商談
  • 国際学会・カンファレンス

翻訳には時間と手間がかかるイメージがありますが、PowerPointの標準機能や外部ツールを活用して、外国語に対応することができます。ただし翻訳した文章が正確かどうか、レイアウトが崩れないかに注意する必要があります。

PowerPointを翻訳する3つの方法

PowerPointのスライドを翻訳する方法には、大きくわけて以下の3つがあります。どの方法を選ぶかは、求める翻訳精度や作業効率、コストなどによって異なります。

  1. PowerPointの標準翻訳機能を使う方法
    • PowerPointに搭載されている自動翻訳機能(Microsoft Translator)を活用
  2. 自動翻訳を使う方法
    • 代表的な例としてGoogle翻訳
    • PowerPoint(pptxファイル)をそのままドロップ

次の章では、まずPowerPointの標準機能を使った翻訳手順を詳しく見ていきます。

PowerPoint標準機能を使った翻訳方法

PowerPointには、標準機能として翻訳ツールが組み込まれており、プレゼンテーション内のテキストを他言語に翻訳することが可能です。この機能を活用することで、外部の翻訳ツールを使用せずに、スライド内のテキストを直接翻訳し、効率的に多言語対応の資料を作成できます。

手順

ここではPowerPointのバージョンとして、Microsoft 365版の操作を想定しています。バージョンによって画面表示は多少異なる場合がありますが、基本的な流れは同じです。

  1. 翻訳したいテキストを選択する
    スライド上のテキストボックスや箇条書きなど、翻訳対象をドラッグして範囲選択しましょう。
  2. 「校閲」タブを開く
    PowerPoint上部メニューから「校閲」タブをクリックします。
  3. 「翻訳」ボタンをクリック
    「言語」グループ内にある「翻訳」または「翻訳ツール」のボタンをクリックすると、右側に翻訳ウィンドウが表示されます。
  4. 翻訳する言語を選択
    「翻訳元の言語」と「翻訳先の言語」を指定します(自動検出も可能)。翻訳先として英語を選びたい場合は「英語」を、ドイツ語を選びたい場合は「ドイツ語」を選択しましょう。
  5. 翻訳結果を確認し「挿入」
    翻訳結果が自動表示されるので、問題なければ「挿入」ボタンをクリックすると、スライド内の対象テキストが翻訳済みのテキストに置き換わります。

注意点

  • 一括翻訳ができない: スライド全体の文章をまとめて翻訳する機能はありません。枚数やテキストボックスの数が多い場合は手間が増えがちです。
  • フォーマット崩れ: 文字数が増減するとテキストボックスから文字がはみ出したり、改行位置が変わったりすることがあります。

PowerPoint標準機能の詳細はMicrosoft 公式ページでも確認できます。

自動翻訳を使った翻訳の手順

ここでは以下の自動翻訳を使ってPowerPointの翻訳をする手順をお伝えします。

  • Google翻訳
  • Microsoft Translator
  • ヤラクゼン

Google 翻訳

Google翻訳を利用して、PowerPointを直接アップロードし翻訳することが可能です。

  • Google翻訳にアクセス
    • ウェブブラウザでGoogle翻訳にアクセスします。
  • 「ドキュメント」タブを選択
    • 画面上部にある「テキスト」と「ドキュメント」のタブのうち、「ドキュメント」をクリックします。
  • 言語の設定
    • 左側で翻訳元の言語(例:日本語)を、右側で翻訳先の言語(例:英語)を選択します。
  • ファイルのアップロード
    • 「パソコンを参照」または「ファイルを参照」ボタンをクリックし、翻訳したいPowerPointファイル(.pptx)を選択します。
  • 翻訳の実行
    • ファイルがアップロードされたら、「翻訳」ボタンをクリックします。
  • 翻訳結果の確認
    • 翻訳が完了すると、翻訳された内容が表示されます。

【注意点】

  • 文章の二次利用の可能性
    • Google翻訳にかけた文章は、翻訳品質の改善のために二次利用される可能性があります。個人情報や会社の機密情報などを何度も入力していると、翻訳文として表示されてしまう可能性もあります。リスクを回避して翻訳したい場合はセキュリティが担保された有償の自動翻訳を使いましょう。

Microsoft Translator

Microsoft製品との相性が良く、Microsoft Office(Word、PowerPointなど)とスムーズに連携できます。自動翻訳機能としてはGoogle翻訳と並ぶ対応言語数です。

Microsoft Translatorでは、PowerPointファイルを直接アップロードして翻訳する方法は提供されていません。しかし、PowerPointにはMicrosoft Translatorの機能が組み込まれており、個々のテキストを翻訳することが可能です。以下に、その手順を詳しく説明します。

  • 翻訳したいテキストを選択
    • PowerPointを開き、翻訳したいテキストが含まれるテキストボックスをクリックして選択します。
  • 「校閲」タブを開く
    • 画面上部のリボンから「校閲」タブをクリックします。
  • 「翻訳」オプションを選択
    • 「校閲」タブ内の「翻訳」ボタンをクリックします。
  • 翻訳言語の設定
    • 右側に翻訳ペインが表示されます。ここで、翻訳元の言語と翻訳先の言語を確認・設定します。
  • 翻訳結果の確認
    • 選択したテキストの翻訳結果が表示されます。
  • 翻訳テキストの挿入
    • 翻訳結果をスライドに反映させるには、翻訳ペインの下部にある「挿入」ボタンをクリックします。これにより、選択したテキストが翻訳されたテキストに置き換わります。

【注意点】

  • 一括翻訳の制限
    • PowerPointの翻訳機能では、スライド全体や複数のテキストボックスを一括で翻訳することはできません。各テキストボックスごとに上記の手順を繰り返す必要があります。
  • レイアウトの保持
    • 翻訳後、テキストの長さやフォーマットの違いにより、スライドのレイアウトが崩れる可能性があります。翻訳後は、各スライドのレイアウトを確認し、必要に応じて調整してください。
  • 翻訳精度
    • 自動翻訳のため、専門用語やニュアンスが正確に翻訳されない場合があります。固有名詞などを含む文章は、翻訳結果を専門家に確認してもらったり、ポストエディット(翻訳後の文章を編集・修正すること)することをおすすめします。

この方法を活用することで、PowerPoint内で直接テキストの翻訳が可能となり、外部ツールを使用する手間を省くことができます。ただし、一括翻訳ができない点や翻訳精度の限界を考慮し、必要に応じて他の手段で翻訳をするか、ポストエディットを行ってください。

ヤラクゼン

ヤラクゼンは、PowerPointファイルを丸ごと翻訳できるCATツール(翻訳支援ツール)です。​自動翻訳後、ツール内でプレビュー画面を確認しながら翻訳結果を編集できるため、効率的に翻訳の品質を上げられます。以下に、ヤラクゼンを用いてPowerPointファイルを翻訳する手順を詳しく説明します。​

1. アカウントの作成とログイン

まず、ヤラクゼンの公式サイト(https://www.yarakuzen.com/)​にアクセスしアカウントを作成します。既にアカウントをお持ちの場合は、ログインしてください。​

2. 言語・翻訳エンジンの選択

翻訳したい言語と翻訳エンジンを選択できます。​
ヤラクゼンは36言語に対応しており、翻訳エンジンはGPT-4o、Claude、Google翻訳、Microsoft Translator、ヤラク翻訳が標準搭載されています。​翻訳する文書の内容や目的に応じて、最適なエンジンを選択してください。

2. ファイルのアップロード

翻訳したいPowerPointファイル(.pptx形式)をドラッグ&ドロップするか、「ファイルを選択」ボタンをクリックしてアップロードします。

4. カンパニーカテゴリの設定

必要に応じて、カンパニーカテゴリを設定します。​これは、企業内で使用する専門用語やフレーズを登録し、自動翻訳に反映させる機能です。​カテゴリごとに用語やフレーズを登録できるため、部署や業種ごとに翻訳の精度と一貫性を向上させることができます。 ​

5. 翻訳の実行

言語、翻訳エンジン、カンパニーカテゴリの設定が完了したら、「翻訳スタート」ボタンをクリックして翻訳を実行します。
​翻訳プロセスが開始され、進捗状況が画面に表示されます。​翻訳時間は、ファイルのサイズや内容によって異なります。​

6. 翻訳結果の確認と編集

翻訳が完了すると、編集画面が表示されます。​
この画面では、原文と翻訳文が並列で表示され、セグメントごとに分割されています。​各セグメント内のテキストを確認し、必要に応じて翻訳文を修正できます。
​また、翻訳文の単語を選択すると、その類義語が表示される「スマートサジェスト機能」を利用して、より適切な表現に変更することも可能です。

7. 翻訳ファイルのダウンロード

翻訳結果の確認と必要な修正が完了したら、画面右上の「ダウンロード」ボタンをクリックして、翻訳済みのPowerPointファイルをダウンロードします。​ヤラクゼンは、元の書式やレイアウトを保持したまま翻訳を行うため、ダウンロードしたファイルは即座に使用可能です。​

以上の手順で、ヤラクゼンを活用してPowerPointファイルを効率的かつ高品質に翻訳することが可能です。直感的なUIと豊富な機能を備えたヤラクゼンは、ビジネスシーンでの多言語対応に最適です。

セキュリティも担保されているので安心してPowerPointを翻訳できます。

一般的な自動翻訳の注意点

無料の自動翻訳で翻訳後のテキストを再度PowerPointに貼り付ける必要があるため、文章量や枚数が多いスライドを扱う場合は工数が増えます。

ただし、翻訳精度や多言語対応の幅はPowerPoint標準機能より優れている場合が多いです。

翻訳後によくある「レイアウト崩れ」を防ぐコツ

翻訳作業を行うときに、多くの人が悩むのがフォーマット崩れです。

言語によっては文字数が大きく変わるため、改行位置やテキストボックスの幅、フォントサイズが適切でなくなる場合があります。以下の点を意識することで、翻訳後の修正作業を最小限に抑えることができます。

1. フォントを統一する

英語と日本語でフォントが混在すると文字がずれやすくなります。できるだけフォントを統一し、海外向け資料であれば多言語対応が可能なフォント(Arial、Calibriなど)を使用すると安心です。

2. スライドマスターを活用する

PowerPointの機能のスライドマスターで、あらかじめ適切な文字サイズやテキストボックスの位置を設定しておくと、翻訳で文字数が増減したときにも大枠が崩れにくくなります。

3. テキストボックスの自動調整をオフにする

「テキストボックスの自動調整」がオンになっていると、翻訳後に文字サイズや改行が自動で変わってしまうことがあります。手動で微調整したほうが綺麗に仕上がる場合が多いため、必要に応じてオフにしましょう。。

ヤラクゼンなら大量のPowerPointを翻訳できる

大量のPowerPoint翻訳には、ぜひヤラクゼンのカンパニープランを活用してください。

ヤラクゼンであれば月間の翻訳文字数は無制限で、1回あたりの翻訳文字数は最大100,000文字、ファイルサイズは45MBまでとなっています。そのため文字数や料金を気にせずに大量のPowerPointファイルを翻訳可能です。

翻訳の質を上げるためにはポストエディットが必須

翻訳では、単に文章を自動翻訳にかけるだけでなく、

  • 誤訳がないか
  • 固有名詞が正しく訳されているか
  • 伝えたいニュアンスの表現になっているか

など、仕上がりをチェックするステップ(ポストエディット)が重要です。特にプレゼン資料は他者に見せる資料として使うことが多いため、翻訳品質には注意が必要です。

チェック作業を楽に行うために、翻訳の際に気を付けると良い点を以下でご紹介します。

1. 長い文章は短文に分割する

機械翻訳ツールは、長い文章ほど誤訳が多くなる傾向があります。あらかじめ文章を短く整理すると、正確な訳文を得られる可能性が高くなります。

2. 専門用語や固有名詞を登録する

ヤラクゼンでは、固有名詞や専門用語を登録することで、翻訳時に一貫した訳語を適用できます。特にカンパニー用語集は、カンパニーアカウント内の全メンバーが行う自動翻訳に適用でき、固有名詞の表記揺れ防止に役立ちます。

また、頻繁に使用するフレーズや文章を登録しておくことで、次回の翻訳時に自動的に適用され、翻訳作業が効率化します。

3. ヤラク翻訳を活用する

ヤラクゼンのオリジナル翻訳エンジン「ヤラク翻訳」は、登録されたフレーズと類似した文章に対して、固有名詞や数字のみを変更して効率的に翻訳することが可能です。翻訳文の変更部分が限られている文書の翻訳でとても便利な翻訳エンジンです。

例えば定型文が多く、数字や固有名詞のみが頻繁に変わる文書などで大変役立ちますのでぜひご活用ください。

これらの1〜3を組み合わせることで、翻訳の品質を向上させることができます。

まとめ:PowerPointの翻訳で最適な方法を選ぼう

PowerPointの翻訳は、以下のステップを踏むとスムーズに進みます。

  1. どの方法を使うか決める
    • 手軽に済ませたい→PowerPoint標準機能
    • 翻訳精度を重視→ヤラクゼンなどのツール
  2. レイアウト崩れ対策を事前にしておく
    • スライドマスターで文字サイズや配置を整える
    • フォントを統一する
  3. 翻訳後の文章をしっかりチェック
    • 自動翻訳のままだと不自然な表現が混ざりがち
    • ヤラクゼンでポストエディットを行う
  4. 大量スライドを翻訳したい
    • 定額使い放題のヤラクゼンを活用する

これらのポイントを押さえておけば、PowerPointでの翻訳はスムーズにこなせるでしょう。

特に大量に翻訳したい場合は、PowerPointの標準機能の翻訳ではなく自動翻訳ツールを活用しましょう。自分の目的や状況にあわせて最適な方法を選び、PowerPointを効率的に翻訳してください。

 

翻訳者や自動翻訳研究者、マーケターなどの多種多様な専門分野を持つライターで構成されています。

各自の得意分野を「翻訳」のテーマの中に混ぜ合わせ、有益な情報発信に努めています。