ビジネスにおける翻訳が必要なシーンは多岐にわたり、一般文書からマニュアル、ウェブサイトの多言語化まで幅広く存在します。
翻訳する言語も、日英翻訳以外にも、中国語や韓国語、フランス語など、さまざまな言語の対応が求められています。
しかし、初めて翻訳の依頼をする方は翻訳会社に依頼する際の費用相場が分からず不安を感じている方も多いのではないでしょうか。この記事では、翻訳料金の相場や、効率的に翻訳を行う方法などをご紹介します。
【目次】
- 翻訳料金の価格相場について
- 翻訳プロセスと納期の目安
- 翻訳会社への依頼の際の注意点
- 翻訳会社は時間・コストがかかる
- 「生成AI翻訳+人手翻訳」のハイブリッドで翻訳を効率化
- カスタムAI翻訳サービスで効率的で費用対効果の高い翻訳を
翻訳料金の価格相場について
翻訳料金は文書の種類や専門分野など、複数の要因によって価格が変わります。ここでは、文書の種類や分野別に料金相場を詳しく解説していきます。
文書の種類や分野別
翻訳料金は、一般的に専門性が高くなるほど料金も高くなる傾向にあります。企業が翻訳会社に初めて翻訳を依頼する場合の翻訳料金(翻訳発注価格)の目安を表にまとめました。
文書の種類/分野 |
英日翻訳:英文→和訳(税別) |
日英翻訳:和文→英訳(税別) |
コンピューターマニュアル |
28円 |
20円 |
一般科学・工業技術 |
28円 |
21円 |
金融 |
30円 |
25円 |
経営管理・財務・契約書 |
30円 |
25円 |
医学・医療・薬学 |
35円 |
30円 |
特許明細書 |
26円 |
30円 |
上記はあくまで一般的な目安の価格ですので、どのくらいが相場なのかを算出するための参考としてご利用ください。一般的には医療など専門用語が増えて翻訳の難易度が上がると、価格は上昇する傾向があります。
翻訳言語の種類
翻訳にかかる費用は取り扱う言語によっても変わります。それぞれの言語によってどのくらい料金の差があるのか、こちらもまとめました。
・英語
英語は翻訳される頻度が高く、供給も多いという点から、費用は高くありません、日本語から英語へ翻訳する場合には1文字あたり16円〜程度で、英語から日本語へと翻訳する場合には1単語当たり20円〜程度で依頼することが可能です。
・中国語、韓国語
中国語や韓国語の翻訳は英語よりも安く、リーズナブルに依頼できます。どちらも日本語からの翻訳の場合には1文字あたり13円〜、日本語への翻訳の場合には15円〜となっています。
・東南アジア諸言語
タイ語、ベトナム語など東南アジアの言語は 日本語からの翻訳は40円〜、日本語への翻訳の場合は〜48円と費用は高くなります。
・ヨーロッパ諸言語
ヨーロッパの各言語は言語間であまり翻訳費用の差はありませんが、英語に比べると費用が高くなります。基本的には日本語からの翻訳の場合は1文字26~円、日本語へと翻訳する場合には1単語あたり32円~相場となっています。
引用元:翻訳料金の目安
その他のオプション料金
翻訳サービスを利用する際、基本料金に加えてオプション料金が発生することがあります。これらのオプションは、翻訳の品質向上や納期によって変更しますが、コストが上がる要因にもつながります。主なオプションとその料金相場について解説します。
・特急料金
これは必要な場合のみ発生する料金ですが、通常の納期よりも短い期間で翻訳を完了させる必要がある場合に発生します。
一般的に、通常料金の20%増しとなることが多いですが「24時間以内に納品可能」というようなオプションの場合は50%〜の割増費用が発生する場合があります。費用を抑えたい場合は、計画的に発注することが大事です。
例:通常3日かかる翻訳を1日で仕上げる→基本料金の1.5倍
・ネイティブチェック
翻訳された文書をターゲット言語のネイティブスピーカーが確認し、より自然で流暢な表現に調整するサービスです。会社やプランによってもともと翻訳料金に含まれている場合もありますが、オプションは通常、1文字10円〜ほどが相場です。
マーケティングのコピーやウェブサイトなど、読みやすさや自然な文章に仕上げたい場合は特に有効です。
・ミニマムチャージ
短い文書や少量の翻訳に対して適用される最低料金です。たとえばミニマムチャージが1万円だった場合には、テキストが短く文字単価で算出して1万円未満だったとしても、請求は1万円となります。文章量が少ない翻訳を多く依頼する場合は、複数の文書をまとめて発注することでこの費用を抑えられます。
引用元:翻訳にかかる平均費用と費用相場
翻訳プロセスと納期の目安
ここでは、標準的な翻訳依頼の例とそれぞれの段階にかかる時間について解説します。
- 依頼と見積もり
- 翻訳者のアサイン
- 翻訳作業
- 校正・編集
- 品質チェック
- 納品
1つずつ確認していきましょう。
1.依頼と見積もり
まず、翻訳会社に料金と納期の見積もりを依頼します。通常1~2営業日程度で完了します。
複数社から見積もりを取得し、金額やクオリティなどを考慮して翻訳会社を選定します。
2.翻訳者のアサイン
翻訳会社が決まったら、プロジェクトの規模や専門性に応じて適切な翻訳者を選定します。大規模なものや、専門的なプロジェクトの場合はアサインに1~2日かかることもあります。
3.翻訳作業
納期は文書の長さと複雑さに大きく依存します。一般的な目安として、英語であれば1日あたり2000~3000単語を翻訳できます。例えば、10,000単語の文書であれば、翻訳作業だけで3~5日程度必要となります。
4.校正・編集
この段階では、翻訳された文書に誤字脱字がないか、など品質を向上させるために公正・編集作業が行われます。通常、翻訳作業時間の20%~30%程度の時間が必要です。10,000単語の文書の場合、1~2日程度を見込む必要があります。
5.品質チェック
最終的な確認作業です。文書の一貫性、専門用語の適切な使用、フォーマットの正確さなどを確認します。この段階には通常、半日から1日程度かかります。ネイティブチェックが必要な時はここで行われます。
6.納品
これらのプロセスを合計すると、10,000単語の文書の場合、依頼から納品まで約7~10営業日程度が標準的な納期となります。ただし、この納期は文書の複雑さ、専門性、要求される品質レベルによって大きく変動する可能性があります。
翻訳会社への依頼の際の注意点
翻訳会社を選ぶ際は、単に低価格や短納期だけでなく、品質を重視することが重要です。過度に安かったり、短期で対応可能な翻訳会社を選んだ結果、機械翻訳のような不自然な仕上がりになってしまったり、誤字脱字を含む成果物を受け取ってしまった、といったケースも少なくありません。このような場合、別の翻訳会社に再依頼せざるを得なくなり、結果的に時間とコストの無駄につながります。
翻訳会社は時間・コストがかかる
これまで解説してきたように、翻訳会社に翻訳業務を頼む際は、翻訳会社への見積依頼から選定、クオリティチェック、と時間もコストも大幅にかかってきます。
このような課題を解決するのが、AIと人力の翻訳を合わせたハイブリッド翻訳サービスです。
「生成AI翻訳+人手翻訳」のハイブリッドで翻訳を効率化
弊社の『カスタムAI翻訳サービス』は、生成AIと人間の翻訳者の力を組み合わせることで、翻訳プロセスの効率化とコスト削減を実現します。従来の翻訳作業は翻訳者の負担が大きく、時間とコストがかかることが一般的でしたが、当サービスでは生成AIが翻訳作業を行い、その後人間翻訳者が最終チェックを行います。この方法により、迅速な納期を維持しながら、高品質な翻訳を提供することが可能です。
人手翻訳から生成AIの活用へ
従来の人手翻訳は、翻訳者の経験やスキルに依存し、時間とコストがかかる傾向がありました。生成AIを活用することで、AIがまず迅速に翻訳のベースを作り、人間の翻訳者が仕上げることで、より効率的でコスト削減に繋がります。特に、定期的に翻訳が必要な分野や、リアルタイム性・スピードを重視する案件に関しては、時間と費用の両方を節約できるメリットが大きいです。
ポストエディット不要で翻訳者の負担を軽減
機械翻訳を使用している場合、ポストエディットのプロセスが翻訳者にとって大きな負担となります。カスタムAI翻訳サービスでは、生成AIが翻訳作業をし、最終チェックは人間翻訳者が行います。これにより、効率的に高品質な翻訳を提供できます。
ニーズに応じたカスタム翻訳を構築
貴社の過去の翻訳データや専門用語集を基にAIモデルを作成し、ニーズに合わせたカスタム翻訳を構築し、より精度の高い翻訳を提供します。特定の業界や専門分野に特化した翻訳ニーズにも対応でき、一般的な機械翻訳では難しい細かなニュアンスやスタイルの要求にも応えます。
カスタムAI翻訳サービスで効率的で費用対効果の高い翻訳を
翻訳会社に依頼した際、時間とコストがかかる傾向にあります。また、内容によっては追加料金が発生したり納期が余計にかかってしまうというデメリットも挙げられました。
カスタムAI翻訳サービスでは、生成AIによって翻訳を実施し、その後に人間翻訳者が最終チェックを行います。これにより、高品質な翻訳を迅速に提供しつつ、コストを低く抑えることが可能です。特に、定期的な翻訳作業が求められる企業にとっては、継続的な費用対効果の向上が期待できるサービスとなっております。詳細につきましては、下記よりお問い合わせください。
この記事の執筆者:Yaraku ライティングチーム
翻訳者や自動翻訳研究者、マーケターなどの多種多様な専門分野を持つライターで構成されています。各自の得意分野を「翻訳」のテーマの中に混ぜ合わせ、有益な情報発信に努めています。