みなさん、こんにちは。八楽の森谷です。
いよいよ明日はイーコマースEXPO 大阪 2015です!
残念ながら私は留守番ですが、ブースにお越しいただけますと嬉しいです!!
さて、本日のテーマは「翻訳のレベル」についてです。
翻訳サービスと一言で言いましても、求められる品質・状況・予算等によって最適なレベルは常に異なります。
今日はhuman translation=人間翻訳を5つのレベルに分類し、それぞれの特徴と「使い時」を紹介していきます。
必要な場面によって異なる 様々な翻訳のレベル
もしあなたが翻訳サービスの利用者ならば、翻訳サービスには複数のレベルがあることを知っておくべきです。
このレベルは様々要因に依存して決められるべきです。例えば、文書の最終用途、予算、求められる品質チェックのレベル、翻訳者の専門知識そして文書の主題分野などです。本稿では、翻訳の異なるレベルについて詳しく見ていきます。
①Draft translation
この翻訳は基礎的な翻訳として知られており、出版されるのが目的でない文書において理想的です。ユーザーが文書のおおよその要点を知りたい場合、あるいは予算があまりない場合、Draft translationを選ぶべきです。
通常、担当の翻訳者は比較的経験が浅いことが多いです。また、翻訳が完了した文章が別の翻訳者によって精査されることはありません。しかし目的が、書かれていることをざっくりと理解したいだけならば、Draft translationの品質で十分と言えます。
相対的に低品質であるとはいえ、翻訳自体はあくまでプロの翻訳者によってなされるため、Draft translationの質が機械翻訳よりは優れていることは留意していてください。
コストの点で言えば、本日紹介するものの中でdraft translationは最も経済的なタイプの翻訳です。
②Standard translation
この翻訳は、質においてある程度の基準が要求される文書において理想的です。
要するに、出版を意図はしていないものの、比較的重要度が高い文書です。
例としては、従業員マニュアルあるいは重要度が高い社内用の資料が挙げられます。通常、そのようなプロジェクトに関与する翻訳者は経験を積んだ翻訳者です。
また、成果物はダブルチェックを経ます。二回目のチェックは経験豊富な別の翻訳者によって行なわれます。
このStandard translationはDraft translationより多少高価です。
③Professional translation
広く公表される文書あるいはコミュニケーションについてはProfessional translationを選択することが推奨されます。
Professional translationが必要な例の1つは企業ウェブサイトの翻訳です。
これに携わる翻訳者は様々な経験を持った上級の翻訳者です。
さらにProfessional translationにおいて翻訳後の文書は、二段階以上の品質チェックを受けることになります。
まず一人目の翻訳者が翻訳を完成させます。
次に、精査者が翻訳を確認します。精査者は通常、翻訳元言語のエキスパートであるため、誤訳の発見は容易です。
最後に、その文書は翻訳先言語のエキスパートである編集者によってチェックされます。編集者はその翻訳が、翻訳されたもののようにではなく、最初から翻訳先言語で書かれた文のように見えることを保証します。
④Expert translation
専門文書を取り扱う場合、Professional translation以上に様々な要素が求められます。
例えば、あなたが法学、医学あるいは財務に関わるたくさんの専門用語を備えた書類を持っているならば、主題分野の専門家がそれを翻訳しなければなりません。
続けて、行われた翻訳は複数の段階のチェックを経ます。Expert translationは、契約書、会社の財務諸表、工業製品マニュアルなどの文書を翻訳するのに理想的です。
Expert translationは他のタイプの翻訳と対照的に非常に高価になりえます。
⑤Back translation
内容を問わず非常に高い品質を要求する文書にとって、Back translationこそが理想的なアプローチと言えます。
Back translationにおいて、対象文書はまず翻訳先言語に翻訳されます。
そしてその後、翻訳先言語に翻訳された文書は、翻訳元言語に訳し戻されます。
この後に、翻訳元言語のネイティブスピーカーが、翻訳されたドキュメントの正確さをチェックするため両方の文書を比較します。翻訳に違いがある場合、精査者は必要な修正を行う翻訳者に対し、要修正箇所を伝えます。
例えば、ドイツ語文書を英語に翻訳しなければならない場合、最初の翻訳の後のBack translationにおいて、英語文書が再びドイツ語に翻訳されることになります。続いて、ドイツ語の専門家は、翻訳の正確さを確認するために原文とBack translationされた文書を比較するのです。
Back translationが有用ないくつかの例を挙げるとすると、例えばフォーカス・グループ・ディスカッションや製薬に関わる文書です。
Back translationは上記の中で最も高価な翻訳です。しかし、高価というデメリットを補って余りあるメリットがあります。
会社が海外市場のフォーカス・グループ・ディスカッションを行なっており、新製品の開発についてのフィードバックを求めていれば、翻訳に関しては高度に正確であってほしいでしょう。そうでなければ、間違った製品の開発に多くのお金を使うことになりかねません。
結論
必要に応じて、翻訳サービスのユーザーは好きなレベルの翻訳を選ぶことができます。
上記の通り、どのレベルを選ぶかは、様々な要因に依存するでしょう。
もしどのレベルにするか決めかねているのであれば、Standard translationとProfessional translationが最も無難な選択と言えます。
いかがでしたでしょうか。
翻訳の中でも人手による翻訳サービスだけを取り上げたわけですが、それでもこれだけのバリエーションがあります。
これに機械によるアプローチを組み合わせることで、その選択肢はもっと広がります。
ぜひ、ご自身の状況に合った最適な選択肢を見つけてください。